Before (改善前)

対となる部品がある、いわゆる嵌めあい部品は、内側の底部分にヌスミ加工が指定されていることが良くあります。ヌスミ加工というのは工具の形状を考慮した設計図となりますが、実はヌスミ部のある内径部分に内歯加工を行うとなると問題が起きることがあります。例えば、ヌスミの形状は上記の図のように直角である場合がほとんどです。このままですと、内歯加工後に刃物を抜くと、バリが発生してしまい、バリ取り工程の分、工数UP・加工コストUPにつながります。

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After (改善後)

そこで、内歯加工指定のあるヌスミ部においては、その端面形状を30°~45°程度とすることで、バリの発生を抑止することができます。この結果、懸念事項であったバリ取り工程がなくなり、工数削減によるコストダウンが可能となります。バリの発生は、部品の表面に対する傷の原因ともなるので、加工を行う上では注意が必要です。

POINT(要約)

円柱形状の製品の場合、内径底部にヌスミ部を設けるという図面は、良く加工を理解されている設計者の方が書いている図面であり、当社としても非常にありがたい図面となります。しかし、その内径部にギア形状んお加工を行う等の追加工が入るとそのヌスミの形状も問題となるなど非常に細かい話となります。そのため、加工を行う際には特定部品の専門メーカーに依頼することが品質・コストのバランスが取れた製品の提供を実現する上でのポイントと言えます。